2016年7月22日金曜日

革材料が値上がりする理由~栃木レザー工場見学会に行ってきたよ~

先日、Bag yardが主催する栃木レザー工場見学会に参加してきました。

工場見学のレポートは3年前に見学した際に当ブログに残しているので割愛します。

皮から革への製造工程が知りたい方はこちらからどうぞ。

栃木レザー工場見学レポート

え?じゃあ、工場見学は2回目なの?

はい、そうなんです。見学ツアーに参加していた人にも言われました(笑)

◇今回の見学の目的は◇

3年前と今回、何が違っていたか・・・

革は変わっていなかったです。ダジャレじゃないですよ真面目に書いてます。

栃木レザーは今も変わらず10~20の工程を経て手間暇をかけて丹念に鞣されていました。

変わったとしたら、私自身の革に対する情熱が増したこと位でしょうか。

あれから3年間、栃木レザーを主に取り扱い、様々なカタチにしてお客様に届けてきました。

ただ、その間、私の記憶では革材料の値上げが2回ほどありました。

革問屋側は原材料・物流コストの高騰の為と説明をしてきますが、

最終的にはその値上げは作った製品に乗せざるおえないんですね。

でも、出来れば値上げはしたくない。どうしよう・・・

物を作って、売る立場になってみて初めて味わった葛藤。


なので今回、栃木レザーさんに聞きたかったのはコストに関すること。

それさえ聞き出せれば今回の目的は達成だ!っていう気持ちで参加しました。

原価は聞いてませんよ。個人では直接買えませんから。


◇栃木レザー担当者が話してくれた値上げをする理由◇

私は終了後の質問の時間で担当者さんに、この用意してきた質問を投げかけました。

さすがに少したじろいでいましたが、本当に親切に包み隠さずお話してくれました。

値上げの一番の理由。

それは原皮(材料)そのものが値上がりしている為

なぜ値上がりしているか、近年の牛肉の消費量に関係していました。

そもそも牛革とは食肉用の牛の皮を剝いで残った副産物。

つまり欧米においてもお肉を食べる人口(回数)が減って来ているとのこと。

食肉として加工されないと言う事は、皮も残りません。

また、栃木レザー(株)が求めているのは厚くて、堅牢な革。
ステアハイドやブルハイド(生後2年~3年以上の成牛の皮)が理想なんでしょうね。

皮構造を見ると分かる、革が丈夫な理由

こういった皮が、最近では仕入れられる数が少なくなってきたとも話していました。

なぜかと言うと、3年近く育て上げた牛は肉もしっかりと育ち、固くて噛みごたえのあるお肉になります。
しかし、最近では固い肉よりも柔らかい肉を好んで食べる人たちが増えて来ているのも原因の1つと言われてました。

柔らかいお肉として加工されてしまう牛さん達は若い年齢(20ヶ月未満?)であるがゆえに、比較的薄い原皮になってしまうのです。

革の鞣しに興味を持った方なら一度は考えませんでしたか?
どうして日本の革は国産の牛を使わないの??

理由は圧倒的に流通量が足らないのと、アメリカみたいな広大な土地で放牧されていないので、同じ月齢でも皮のしまりが違うため、栃木レザーの求めるそれとは違っているのでしょうね。

それでも最近では地生(ジナマ※国産の牛)鞣しにも取り組んでいるようです。

革をなめす作業は本当に非効率な作業かも知れません。でもこの手間暇と情熱をささげるからこそ世界に誇る日本の革・栃木レザーが生まれたのです。

栃木レザー㈱も取引先に対しては断腸の思いで値上げを飲んでもらっている、そんな様子が担当者さんから伺えました。

きっと今後、もっと食肉の生産量が減少していけば、必然的に皮の流通量も減りますから、革の価値が上がって行く事も考えられます。

作り手として何が出来るのか、それを考えさせてくれた工場見学会でした。


担当者さんが言ってました。


「皆さん!牛肉をもっともっと食べて下さい!」


その後は、昼食場所(洋食屋)へ移動して、参加者みんなでビーフハンバーグランチを食べました。

おしまい。


最後は一緒に来てくれた後輩が撮影してくれた工場Photoをどうぞ。





















2016年7月20日水曜日

鶴革工房 tsuruleatherロゴをリニューアル!!

今月は創業月。

昨年が5周年と佳節でしたので、次は10周年を目指して頑張っております!

そして私にとっては今年は節目の年。

9月に40歳を迎えます。

孔子の有名な言葉に『四十にして惑わず(論語)』

【意味】四十にして惑わずとは、四十歳になって、道理も明らかになり自分の生き方に迷いがなくなったということ。

小学生の時に見ていた40歳の大人って何でも出来るスーパーマンみたいに見えてたけど、

自分がその年を迎えてみて感じるのは、決してスーパーマンじゃないなと言う事。

大人だから、父親だからって完璧ではないこと。

小学1年の娘、小学3年の息子に対してだって自分が間違っている時は謝るし。

ギャグを言ってもすべるし・・・

こんな事を書いていると重松清原作のとんびを思い出しました。

小説はもちろん、NHK版、TBS版全部良かった!

NHK版の堤真一が演じる市川ヤスがこんなことを言ってました。
  

「親はそげん偉ろうない、親が子どもを育てるんと違う、親が子どもに育てられるんじゃ」


本当にその通りで、子どもに教わる事は多いと思います。

先日、娘に「パパはいつも仕事頑張ってるね」って言われました。

私は、「あれ、パパが会社で働いているところって見たことないよね~?」と言ったら。

「かわのしごと~」と娘。もう思わず娘をぎゅっ。

果たして40歳は人生の転機になるのか?ならないのか?

それは全て自分次第。

今回、鶴革工房の刻印をリニューアルしたのも1つの布石にしたつもりです。

リニューアル!と言ってもmade in Japanを追加しただけですが(笑)

世界に誇れる日本人の手仕事に恥じない物作りをしたくて付け足しました。






このロゴを製作依頼したのは吉田皮革さん。

なんとタイ・バンコクに在住の日本人レザークラフトマン。

メールでのやりとりも最初から最後まで親切丁寧でした。

これは吉田皮革さんから発送の連絡時に送って頂いた写真。

全部真鍮製なんです。かっこいいでしょ!!真鍮製ならではの重量感。エイジングも楽しめる!



しかもこの刻印は電熱コテに付け替えれば焼印↓にもなるんです。


焼印にするとまた雰囲気も変わりますね。

作品によって使い分けていこうと思います。

随時、こちらの刻印に変更していきますので、楽しみにお待ち下さい。


鶴革工房 made in Japan

2016年7月15日金曜日

ランドセルのリメイクでミニチュアランドセルを作るのはもう古い!?

さてついに!この度、前からやってみたかったランドセルのリメイクオーダーを頂きました!

御依頼主は、わたくしの妻が通う美容室のスタイリストさん。

この美容師さんのお嬢さんが今年の3月まで背負っていたランドセル。



これをリメイクしてある物を作り、ランドセルを買ってくれたおばあちゃんにプレゼントしたいという依頼内容。

さて、そのある物とは!?


~6年間の思い出を別なカタチに!~


ランドセルのリメイクと言えば真っ先に思い浮かぶのがミニチュアランドセルですよね。

もうこれになるとそれを専門にしているお店・職人さんがたくさんいます。

『ランドセル リメイク』で検索すると色々なお店・工房がヒットします。

もちろん、ミニチュアランドセルだけではなく、キーホルダーやペンケースなど6年間の思い出を別な形にして残すといった企画で繁盛しているみたいですね。

やはりランドセルリメイクを専門にしているお店には敵わないかな。場数が違いますし・・

でもネットを検索していると利用者の声で意外なコメントがありました。


『ミニチュアランドセルって最初は飾っていてかわいいけど、気が付くと埃かぶってるのよね』


ふむふむ、なるほど、やはりこれからの時代は実用的なアイテムで残してあげた方がいいわけですね。

そうだ!ミニチュアランドセルはもう古い!

6年間の思い出を受け継いで、さらに中学・高校と6年間使える物を残したい!
※本人が使う場合を想定してですが。

今回はご本人に、ではなくランドセルを買ってくれたおばあちゃんへプレゼントとのこと。

これはこれで感動しますね。

おばあちゃんに渡している所に立会いたいくらいです。


6年間の思い出を刻んで、孫からおばあちゃんへの感謝の贈り物。

それがこちら!!

眼鏡(老眼鏡)ケースです


もちろん、思い出のキズもそのまま。


中には ベージュ色のピッグスウェードを貼りました。


 表に付けた飾りはランドセルの被せに使われていた鋲を使いました。


ちなみにランドセルに使われている素材はクラリーノ(人工皮革)が主流です。

牛革ではないので、さすがにコバ(切り口)は磨いても限界がありましたので、コバ処理剤を使用しました。

綿引様ありがとうございます♪

御依頼主様が勤める美容室はこちら→hair design GLITTER

2016年7月1日金曜日

100均アイテムで立体型革トレイを作ろう!


◇100均アイテムで立体型革トレイを作ろう!◇




可塑性って言葉ご存知ですか?

かそ‐せい【可塑性】
固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質。塑性。

という意味です。つまり革にはこの性質があるんです。

よく、ヌメ革の財布やバッグなどの取り説に雨で濡れてしまった場合『形を整えて・・』とありますよね。

濡れたまま放置すると革はその形を記憶してしまうので、そのままの形で乾いてしまうんです。

でも、この可塑性を逆手にとって様々な形にして遊べるのがレザークラフトの面白さ。

そして、濡らして形を作る入門編とも言えるべきアイテムは革トレイです。

四つ角をホックで留めるトレイなどは良く見かけますよね。

でも立体的なトレイって専用の型がないと無理よね~と思っていませんでしたか?

本格的な物はきっとオリジナルの成型用の型を作って製作しているんだと思います。

でも、身近な物でもアイデア次第でお洒落な革トレイが作れてしまいます。

ここで登場するのが100円ショップ(ダイソー)で販売しているステンレスのトレイ。

用途的にはおしぼり置きとなっているので、キッチン関連コーナーにおいてあります。

形も似たような物が2~3種類あるので、気をつけて下さい。

革トレイに使うのはこのカタチです。↓





◇水で濡らして挟むだけ!◇

さっそく作ってみましょう。

革は比較的厚めでかつ硬めの革がオススメです。

最低でも2.0㎜以上あったほうがいいです。

 ~用意する物~
一、ステンレストレイ2枚
一、革(厚さ2.0㎜以上)
一、重し(辞典や本とにかく重い物)


◇手順◇

・まず革を水にまんべんなく浸します。




・少し余分な水分は吸い取ります。

 キッチンペーパー等で水分を取り除いて下さい。

・ステンレストレイにセット




・2枚目のステンレストレイで挟み込む




・重しを載せて乾くのを待つ(1日~2日)

※風通しの良い所でしっかり乾燥させましょう。中途半端に湿気を含んでいると形が崩れやすいトレイになってしまいます。

この時期は一日でほぼ乾きます。



◇立体型革トレイの完成!◇

乾燥完了!どうですか。しっかり成型されましたね。



この後は、はみ出たミミを切り取る作業が残ってます。

方法はトレイを裏表逆さまにして、トレイからはみ出た部分にケガキ線を入れます。




あとはトレイを外してケガいた部分を目印に包丁でカットするだけ。








最後にヘリを落として、コバを整えて完成です。




完成

どうですか?トレイに限らず、何か面白い物を見つけたらその形にして遊んでみても楽しいかもしれませんね。

私は今回、この技法で2枚貼り合わせの革トレイを製作してみました。

それはこちらです!




さらにガッチリとタフな印象の革トレイが出来ましたよ。

皆様もお試し下さい。

ちなみにこの革トレイは現在出品中です(7月6日21時まで)→鶴革工房OUTLETS