「お父さん、セックスってなに?」
4月から小学5年生になった息子に突然聞かれた。
少しニヤつきながら親の反応を探っているような顔をしていた。
こっちはあえて動揺はせずに(凄く動揺してたけど)
「そんな言葉誰に聞いたの?」
と普通に返した。
「〇〇君が言ってた」
「そっか、〇〇君はもっと詳しく知ってるんじゃないの?」
「...知らないって言ってた」
ふうん、そう言うことか、恐らく子ども同士で、 親にこの言葉を言うと反応が面白いよとか話題になったんだろう。
最近では親に反抗をする事も増えて、 少しずつ身体も心も大人になる準備を始めてるんだなと思った。
さて、冒頭の話し。
これだけ情報を得ることが出来る世の中になったのに、 我が子への性教育に関しては気にも留めてなかった。
昭和51年生まれの私自身の記憶を振り返ると、中学1年生くらい の時に保健体育を1~2時間受けた程度の記憶しかない。
内容は男性と女性の身体の違いや生殖機能の話しだった気がする。
自分はいつ頃から性に関心を持ち始めたのだろう。
私が小学生の頃は親の前でそんな言葉を言うのも恥ずかしかった し、TVドラマでラブシーンがあると恥ずかしくて目をそらしていた時代だった。なんとなく男と女はそう言うことをするんだな、 したくなるんだろうなって思っていた程度。
そう思っていたから、息子が性に興味を持ち始めたとしても、 親の前では口にはしないだろうと油断をしていたのだ。
カブトムシのセックス
私がセックスとは何かを知るキッカケは、カブトムシだった。
当時はスマホやパソコンなんて無いから、 道端にエロ本が落ちていたらみんなでこっそり集まってドキドキし ながら、ページをめくっていた。
本能的にこういう事は親には話してはいけない事なんだ、 と分かっていた。
性に関する知識なんてその程度。
当時カブトムシやクワガタの飼育に夢中になっていた私は、
友人からカブトムシやクワガタは「交尾」をすると卵を産むんだよと教わった。
カブトムシが増える方法を知ることが出来て、純粋に喜んでいた私の前で、 その友人は人差し指で鼻の下を横に擦りながら、やけにニヤニヤしていた。 でもその時はその理由はまだ分からなかった。
小5の夏休み。
飼育箱の中でカブトムシのオスとメスが「交尾」を始めた。
私はたまらなく嬉しくなり、
「ねえねえお母さん!!カブトムシが交尾してるよ! 卵が出来るよー!!」
と叫んだ。
すると母親は
「カブトムシも人間と同じことするんだね~」
と言い出したのだ。
は?何を言ってるんだろ?
この時は気にしなかったが、 この時の母親の言葉があとからじわりじわりと私の脳内を駆け巡る。今になるととんでもない母親だなって思うけど(笑)
カブト虫の交尾
人間も同じことする
その瞬間に私(当時のね) の頭の中の性のジグゾーパズルが完成してしまった。
テレビドラマのラブシーンで男女がベッドの中で何をしているのか 分かってしまった瞬間だった。
性の話しって、結局は自分が教わった(?) 様にしか教えられない気がする。
今は道端にエロ本が落ちているのか分からないけど。
「お父さんの時はな、落ちてるエロ本を見てたんだぞ!」
って話しても仕方ないしな。
息子の同級生ではすでにスマホを持っている子もいる。
3DSでユーチューブも見れるし、 親の目を盗んで少しエッチな動画をこっそり見始めてるんだろう。きっと。
人間を人間たらしめているのは“理性”だ。
しっかりと正しい知識を持たせつつ、 理性をコントロール出来る健全な思春期を迎えてもらいたいと思う のはどの家庭も一緒ではないだろうか。
さて、次はどんな質問されるんだろ・・・・
「今年の夏はカブトムシ取りに行くか?」
って誘ってみるか。
0 件のコメント:
コメントを投稿